みなさんクチポールというブランドをご存じでしょうか?
クチポールは日本国内だけではなく、世界中でも愛されるポルトガルのカトラリーブランドです。
ネットやインスタで見たことがある方や、実際に持っている方もいらっしゃると思うのですが、今回は知っているようで知らないクチポールの歴史、モノづくりへの考えなどを交えご紹介します。
1,Cutipol(クチポール)とは
2,引き継がれるもの
3,商品開発と手作業
4,クチポールのこだわり
5,クチポールのGOA(ゴア)
6,まとめ
1,Cutipol(クチポール)とは
クチポールはポルトガルの北部にあるブラガ近郊にあるカトラリーブランドです。現代表デイビッド・リベイロの祖父がギマランイスの地で工場を立ちあげたのがクチポールの歴史の始まり。
その後、現代表の父が後を継ぎ、1960年代初頭に海外の人も発音しやすく、特徴を覚えやすいように、Cutは「カトラリー」を、POで「ポルトガル」、Lは「会社」を意味するCutipol(クチポール)と名付けました。
当時は夫婦で協力しカトラリー作りの盛んなポルトガルで、初めてモダンなデザインを製作したり、ゴールドのめっきを始めたりし、現代のクチポールが作り上げられていきました。
2,引き継がれるもの
最初に読んで頂いて気が付いた方もいらっしゃると思いますが、クチポールは3代に渡って家族で営まれているブランドです。
それはクチポールに関わる職人にも通じ、3代に渡って働く職人、兄弟で働いているスタッフ、夫婦で働くスタッフなど、創業一族のみに関わらず、社内で働くスタッフも家族で働くスタッフにも共通する部分です。
技術の継承は勿論ですが、それ以上にクチポールの価値観や誇りが受け継がれそれがクチポールならではの魅力を生み出す源なのだと思われます。
3,商品開発と手作業
クチポールの製品開発はデザイナーが簡単にアイデアを書き上げ、熟練の職人がデザイナーの意図を読みプロトタイプを製作し製品を完成形に近づけていきます。デザイナーと職人の長年の付き合いと信頼関係がなせる開発手法です。
また、カトラリー界では近年機械の性能が上がり、機械でできることも増えましたが、クチポールは機械に合わせて製品を作るようなことは行わず商品開発を進めるので、制作の際に手作業の部分が多くなっているのもクチポールの特徴の一つです。
プロトタイプの製作はすべて手作業で行われ、その内の約8割はボツになり、残った2割も重さやバランスの確認、実際に家に持ち帰り使い心地を確認したりし、問題の修正を行い、再製作を繰り返し4,5か月かけて理想的な製品が出来上がるのです。
4,クチポールのこだわり
クチポールのこだわりは様々ありますが、その中でも4つのこだわりをご紹介します。
①手作業へのこだわり
カトラリー作りには様々な工程がありますが、すべての工程で職人が一つ一つ手に取って製作しています。
機械では不可能ですが技術力の高い手作業ならではの、繊細なカーブやフォークの長い歯、ステンレスの研磨などにより洗練されたカトラリーが作り上げられているのです。
②オリジナルへのこだわり
デザインから仕上げまでポルトガルの自社工場で行っているだけでなく、製造のための機械や道具も自社で作っており、クチポールのオリジナリティへのこだわりは徹底しています。
③検品へのこだわり
専門の検品スタッフが1本1本手に取り厳しい検品を行っています。検品の際のチェック欄はとても多く、NGがあればNGをレポート提出し品質の向上に努めています。
根気のいる検品ですが、丁寧な検品の積み重ねが安定したクチポールの高品質を保っています。
④環境へのこだわり
クチポールの製品は、原料の調達から製造環境にいたるまで人にも環境にも配慮されて作られています。工場の電力は70%を自社のソーラーパネルから供給し、残りの30%もグリーンエネルギー(水力・風力)から得て製作しています。
5,クチポールのGOA(ゴア)
ゴアの特徴のひとつであるその洗練されたフォルムは人間工学に基づいたデザインで、機能美と線の美しさが伴うカトラリーです。重心が低く設定されることにより、他社製と同じ重さのカトラリーと比べた場合に、手への収まりが向上し、かなり軽く感じます。持ち位置が低いことによりナイフは指の力が伝わりやすく、スプーンとフォークは料理をスムーズに口に運ぶことができます。
使用しているステンレスは、一般的なものよりもニッケルの含有量が多い「18-10」と呼ばれるものです。これは、銅に18%のクロムと10%のニッケルを含んだステンレスです。耐蝕性(腐敗に強い)と耐久性にすぐれ、さびにくい材質です。そして、柄の素材はアクセサリーにも使われるレジン(合成樹脂)を使用しており、手にフィットしやすく、カビなどの心配がなくお手入れしやすいのも特徴のひとつです。
お手入れに関しては食器洗浄機も使用は可能ですが、下記の点にご注意が必要になります。
〇90℃以上の高温で洗うのは控える。
〇カトラリー同士の接触は傷の原因となるので、狭いところにまとめて突っ込まない。
〇ゴールドはメッキがしてあるぶん、強い接触に注意。
以上3点に注意すれば問題なし、というのがクチポールの公式見解です。
道具としてもとても使い勝手がよく、デザインとしても様々な洋食器だけではなく繊細な和食器とも相性が良いのでご自宅の食器と合わせやすいシリーズです。
6,まとめ
今回は様々な視点からクチポールをご紹介させて頂きましたが、初めて知る方や以前からご存じの方にもよりブランドを知って頂いたと思います。
カトラリーの使用頻度は多く、1度購入すると10年以上は使用すると思います。そしてどちらかというと脇役的な存在のカトラリーですが、デザインにこだわって選ぶと、いつもの食事や器も少し華やいだ雰囲気にもなります。
ぜひ日々の食卓をもっと楽しむために、クチポールのカトラリーを添えてみてください。