インテリアと時計

自分好みの心地よいお部屋を作りたい。

そんなお部屋作りの際には、どんなアイテムを思い浮かべるでしょうか?

テーブル・ソファ・テレビ台などの「家具」やカーテン・カーペットなどの「ファブリック」を最初の方にイメージする方は多いと思います。「家具」「ファブリック」は大きいアイテムなので、お部屋の印象に多大な影響を与えますが、実は「時計」もお部屋の印象を大きく変えます。

日々の生活の中で時間を確認することは多く、目にする機会が多いのが「時計」。1番目立つ場所に設置するケースが多いので、部屋の印象を左右してしまう重要なアイテムなのです。

今回はそんなお部屋の中を演出してくれる壁掛け時計の選び方や、デンマークのデザイナーARNE JACOBSEN(アルネ ヤコブセン)のおすすめの時計などをご紹介いたします。

 

【目次】
1、壁掛け時計を取り入れよう
2、ヤコブセンと北欧のデザイン
3、蘇るヤコブセンの時計
4、代表するデザイン
5、まとめ

 

1、壁掛け時計を取り入れよう

壁掛け時計をお部屋に取り入れる際に重要なのがお部屋と時計のサイズのバランスです。

狭い部屋なのに小さな時計や広めのお部屋なのに小さすぎる時計を選ぶと、部屋全体のインテリアのバランスを崩すだけでなく肝心の時計が見にくかったりすることがあるので、お部屋にあったサイズ感を選ぶことが重要なのです。

キッチンなどのコンパクトなスペースには15~20㎝サイズ、一人暮らしや、子供部屋ぐらいの6畳前後の部屋は20~25㎝ぐらいのサイズ。そして、リビングなどの10畳前後の大きめのお部屋には25~30㎝サイズほどのサイズがおすすめ。

部屋の大きさやインテリアのバランスを考えつつ上記のサイズを参考にしてみてください。時計を掛ける場所やインテリアの配置によってサイズ感は変わってしまいますので、掛ける場所を決めておいてからサイズを考えることが大事です。

壁掛け時計を選ぶなら主張しすぎず部屋の雰囲気やインテリアに合わせやすいシンプルなデザインがおすすめ。

白と黒を基調としたシンプルな北欧モダンスタイル、温かみが感じられる木のインテリアを取り入れたナチュラルスタイル、色を多く取り入れたカラフルなお部屋などのアクセントとして様々なスタイルに調和します。

 

 

2、ヤコブセンと北欧のデザイン

インテリアが好きな方なら「ミッドセンチュリー」という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。ミッドセンチュリーとは、直訳すると「世紀の中間」。

インテリアの世界では1940~1960年ごろにデザインされたインテリアや家具などを「ミッドセンチュリーデザイン」等と呼ばれ、戦後の解放感の影響か斬新さと自由さ、そして大胆なデザインであることが特徴です。美しいデザインと機能性を兼ねそろえた名作が多々生まれ現代になっても変わらず愛されています

そんなミッドセンチュリーを代表する人物がARNE JACOBSEN(アルネ ヤコブセン)です。

機能性と飽きのこないシンプルなデザインやフォルム、ぬくもりを感じさせる風合いは北欧デザインに多大な影響を与え「デンマークデザインの父」とも呼ばれる人物です。

ヤコブセンのデザイン哲学が結晶した「デンマーク国立銀行」(1971年)

完璧主義者と呼ばれたヤコブセンは当初は建築のデザインのみを行っていたのですが、建築作品の内部の照明、そして家具や時計などのインテリアや小物までのデザインを行うようになりました。そのデザインする手法は「トータルデザイン」と呼ばれ現在でも世界中で高い評価を得ています。

 

3、蘇るヤコブセンの時計

ヤコブセンの当時のオリジナルの時計はトータルデザインに基づきデザインした建物用に製作されたものや、当時の対戦の状況によりわずかな期間のみに販売された希少なものでした。

デンマークのROSENDAHL社は、当時のヤコブセンの優れたデザインを現代に継承するべく、忠実に甦らせる再興プロジェクトをヤコブセンの愛弟子であるテイト氏監修の元結成立ち上げました。

最初のアイテムに選ばれたのはTable Clock LK。

1930年に掛け時計を手掛ける前から生み出されていたTable Clock LKは大戦の影響でわずかな期間で販売終了となったことから、幻のテーブルクロックと呼ばれました。

それまで住宅設計を主としてきたヤコブセンの転機となり、その後の歴史に残る数々のプロダクトデザインの幕開けとなりました

 

その後、ヤコブセンを代表するデザインの「STATION]」「BANKERS」「CITY HALL」などの時計が当時のオリジナルを忠実に再現され、70年以上の時をへて蘇りました。

ROSENDAHL社はデザイン立国として名高いデンマークで最も知られているプロダクトブランドの1つで「良質のデザインとは創造性と構造体の間でバランスが保たれているなかに生まれるものである」を哲学とし、「デザイン性」と「機能性」を兼ね備えた作品を作り続けています。

 

 

 

4、代表するデザイン

これまでヤコブセンの紹介や彼がデザインした時計が現代に蘇るまでをご紹介しましたが、こちらではヤコブセンの代表する3つのデザインの時計をご紹介します。

 

①STATION(ステーション)

国民の大多数が利用する時計を目にする必要がある場所「駅」。シンプルで普遍的な時計デザインは1943年にデンマーク鉄道の駅に採用されたウォールクロック。

手書き風の柔らかなフォントのデザインがヨーロッパの主流となり多く使われている中、ヤコブセンは一目で時間がすぐ認識できる視認性を重視するフォントを採用しました。その反響は大きく発表後瞬く間にデンマーク国内へ広がっていきました。

②BANKERS(バンカーズ)

晩年のヤコブセンの最高傑作ともいわれるデンマーク国立銀行(1971年)を手掛けた際に、建物から建物内のドアノブや家具までデザインするトータルデザインの手法に基づき作られたウォールクロック。

銀行の建物をデザインした由来から「BANKERS」という名前になりました。

一見細長い棒状に見えるインデックスは12時間に合わせ。12個のブロックで構成され黒いブロック部分が時間を表現しており、時間を分かりやすく表現しつつ優雅なスパイラルを描き絶え間ない時の流れを表しています。

③CITY HALL(シティーホール)

ヤコブセンがアントチェアなどの代表作を多く世に送り出した50年代に手掛けた作品。デンマークのルードブレ市庁舎を設計した際に手掛けたウォールクロック。

「ルードブレ市庁舎」(1956年

直線的な市庁舎に合うようシンプルさを追求した無駄のないデザインです。ローゼンダール社はこのルードブレ市庁舎に設置されているオリジナルのシティホールクロックを入手し、オリジナルに忠実に再現しました。50年代らしい一切の無駄を排除した、緻密でミニマリズムを有するクールなデザインが特徴的です。

 

5、まとめ

一日に何度も目にする機会が多く、1番見えやすい場所に設置する時計。

お部屋が変わっても、インテリアのテイストを思い切って転向したとしても、自分の部屋にはいつものお気に入りの時計がある暮らし。

今回、ご紹介したヤコブセンの時計はシンプルなので様々なテイストのお部屋に馴染み、あなたのお部屋作りをより素敵なものにしてくれる手助けをしてくれるでしょう。