Mar. 2018 -no.5

雨の日を楽しみにしてくれるのは、傘立てにある傘でした。

 

雨の日のおでかけの時に、ふっと傘立てに目をやると思わず手に取りたくなるような傘があること。
30代を過ぎてビニール傘をやめるのは、そんな理由からでした。

形が変わらない道具。そして、差していても、差していなくても心がはずむような気持ちにさせてくれる傘があること。
梅雨が始まる前に、日差しが強くなり始めた季節に傘を見直してみました。

「デザインで暮らしを美しくしたい」

 

雨の日や日差しの暑い日は出かけるのが億劫になりがち。そんな気の滅入る日を楽しみに変える素敵な傘をご紹介します。

1940年代から60年代、いわゆる「ミッドセンチュリー」と言われる時代に活躍したスウェーデンを代表するデザイナー、スティグ・リンドベリ。彼は生涯で、食器やテキスタイルなどのデザインからアートピースまで、約1万点にも及ぶさまざまな作品を手掛け、まさに現在の北欧デザインのイメージを形作りました。

今回ご紹介する槇田商店の傘は、リンドベリのデザインを再現した極上の逸品です。
シックな色合いで少し光沢のある傘はどんな服に合わせても上品で華やかな雰囲気に。

細かい柄のあるグラスや花瓶がいくつも連なるように描かれた「POTTERY」、ひとつひとつ絵柄の異なる果実に自然の成り立ちや敬意すら感じさせる「FRUIT BASKET」など、半世紀も前のデザインでありながら、いまなお、リンドベリの作品は見る人の心をつかみます。

手作業の傘ができるまで

 

この傘を生産するのは、山梨県で150年以上の歴史を持つ織物メーカー「槇田商店」。

高度な職人の技に裏打ちされた細やかな文様が江戸の粋な町民に愛された「甲斐絹(かいき)」の技術を現代まで引き継ぎ、独自のジャカード生地による傘づくりを行っています。

その槇田商店が150周年を迎えた2017年、奇しくも生誕100周年を迎えたリンドベリとのコラボレーションが実現しました。

糸一本から傘まで

伝統や技術と同じくらい、未来への創造性を大切にしている槇田商店のものづくり。それはリンドベリの繊細なテキスタイルデザインを忠実に表現し、ジャカード織機で織られた生地は模様が刺繍のように織り込まれているのが特徴です。織り生地なので柄は色焼けしにくく、裏地まで美しく仕上げられたデザインが傘を開く瞬間を楽しみにさせてくれる、そんな傘なのです。

また、長く使えるよう修理もしてくれます。ものを大切に丁寧に使う心が育まれそうですね。
持っているだけで嬉しく、雨の日も思わず差して出掛けたくなる逸品です。

5月の「Fajans」

 

槇田商店と同じようように、ポトペリーもまたリンドベリのデザインから影響受け、そのデザインを取り入れながら独自の技術を開発し、1点1点手描きで器作りをしています。

ヨーロッパ発祥の伝統的な「ファイアンス焼」。柔らかく温かみある質感に、リンドベリは鮮やかなデザインを施し、代名詞的な作品を生み出しました。しかし一方で、当時の技術で生み出したファイアンス焼は脆く、現代のテーブルウェアとして使うには不向きでした。

ポトペリーは10年かけて土と釉薬の研究を重ね、ファイアンス焼の柔らかな風合いを持ちながらも、現代生活に欠かせない電子レンジや食器洗浄機を使用できる耐久性を併せ持った、新しい「Fajans」を生み出しました。

器に描かれた明るい絵柄は「街中にある自然」をイメージ。何気ない日常にある豊かさをモチーフとし、「Fajans」もまた、何気ない暮らしを彩り華やいだ気持ちにさせてくれる食器です。

清澄白河店では企画展に合わせてポトペリーデザイナーが一点ずつ描きおろした限定「Fajans」を数量限定で展示販売中です。
昨年から毎年5月に新作を描いて発表しています。

スウェーデンではオブジェや食器を飾っておいたり、眺めていたりするすることも”使う”という表現をするそうです。日本にはあまり馴染みの無いことかもしれませんが、とても素敵な文化だと思いませんか?

持っているだけで、素敵に見えて、大切に使いたくなる。傘も食器もそんな暮らしを少し彩ってくれるもの迎えてみてはいかがでしょうか。

¥3,240 (税込)
¥5,400 (税込)
¥2,160 (税込)
¥4,320 (税込)
¥1,620 (税込)
¥3,240 (税込)
¥8,640 (税込)